看護教員養成研修事業

カリキュラムの一部紹介

平成30年度

看護学教育方法演習  模擬講義の実施(H30.10月更新)

 看護学教育方法演習は、3単位90時間と他科目と比べ最大の単位・時間数を設定しています。科目目標は、「①授業科目1単元の指導計画及び本時の指導案を作成できる。②作成した指導案を基に模擬講義を実施し、評価・修正できる」です。授業方法として6月から9月末までの4ヶ月間、演習という学習形態をとっています。看護学教育方法概論・看護学教育方法を講義で学んだ後、授業案を作成します。授業案は、授業を実施するための計画書です。11月の教育実習では、実習校で全員が90分の講義を実施します。
 今回の演習では、教育実習で実際に講義予定の単元・主題で個々に授業案の作成をしました。模擬講義では、本時の指導案の中の20分の展開部分を実施しました。「内容を精選するのが難しかった」「学生に教えたい内容をきちんと伝えるには授業方法の工夫をすることが大切である」など体験してみなければ気づけない多くのことを学びとりました。
模擬講義  模擬講義は、仮説である指導案を基に実施することにより、授業案の設計、授業の実施段階における修正・改善点を明らかにする意義があります。
 優れた授業は、何を(内容)、どのように(授業方法)にするか、両方揃っていることが大切です。高級な食材でも料理の仕方で残念な料理になるように、内容がよくても方法が不適切な場合、結果的に残念な授業になってしまいます。今後も繰り返し模擬講義を実施することによりブラッシュアップし、よりよい授業実践を目指して研鑽していくことを期待しています。

「看護学教育方法演習」グループ発表(H30.8月更新)

 5月の開講以来、看護教員に必要な知識・技術を学び始め3ヶ月が経過しました。本授業は、31科目のうちの1科目で看護学教育方法演習(3単位90時間)の中間のグループ発表となります。看護教員が授業を実施するために必要な授業案作成のプロセスを学ぶもので、11月から始まる看護学教育実習の前に位置付けています。
 まず、グループで教材の看護学校の教育理念・教育目的・目標・教育課程を読み解き、その後、単元指導計画の立案をしました。研修生は、共通の課題に向けて悩み・苦しみながら思考し迷路に入ってしまうことも多々ありました。その都度、グループ毎に配置されたベテラン講師のアドバイスを受けながら、多角的な視点で深く解釈し、指導計画を立案していきました。質疑応答では活発な意見交換がなされ、自信をもって活き活きと応答していた姿に3ヶ月の成長を実感しました。
 1人では考えが及ばないことも、グループワークでは他の人の意見に耳を傾け、知恵を出し合い討議を深めることができていました。そのプロセスで対人関係力、コミュニケーション力、役割分担の重要性・責任感を身につけ自他共に成長できたことは言うまでもありません。こうして階段を一つずつ昇っていき9月以降は、個人での授業案作成、模擬講義の実施へと進行します。
 演習や教育実習での基本的な学びが、将来の看護教員としての素地を育んでいきます。今後どんな花を咲かせてくれるのか、研修生の成長が楽しみになる一コマでした。
 

32名の研修生を迎え、7年目の開講式 (H30.5更新)

32名の研修生を迎え、7年目の開講式  5月1日(火)11時から平成30年度東京都看護教員養成研修の開講式を行いました。全国12か所の都道府県で開催される「専任教員養成講習会」ですが、東京都の本研修は昭和46年から実施されている歴史ある講習会です。これまで2,381名の方が修了しています。当財団では平成24年度に東京都から受託しており、6年間で235名が修了し看護教育の現場で活躍しています。
 今年度の看護教員養成研修生32名の方々は、病院で臨床指導者として看護学生の指導に関わっていた方が多いですが、既に看護学校で教員として働いている方、これから看護教員を目指したい方など様々です。
 開講式では、当財団の理事長から「社会が必要とする看護師を養成するには、教え導く看護教員の力量が大切であり、この研修はきわめて重要な意味をもつ」と、式辞がありました。本研修の主催者である東京都福祉保健局医療改革推進担当部長からの挨拶では、2025年問題に触れ「医療職員とくに看護職員の人材養成が大切であり、本研修での看護教員としての学びに大いに期待したい」と激励の言葉がありました。
 最後に研修生代表が「同じ目標を持った仲間とともに、切磋琢磨しながら看護教育を学び、目指す看護教員に少しでも近づけるよう初心を忘れず学業に励みたい」と力強い決意を述べ、約1年間の研修で「学ぶこと」の意味を体得してくれることを確信しました。
 午後からの交流会では、研修に参加した動機や趣味、看護経験などを披露し合いました。午前中の緊張から解放され終始和やかな雰囲気でした。この長きにわたる研修が、研修生一人ひとりにとって、かけがえのない素敵な人生の一ページとなることを願ってやみません。
 

平成29年度

東京都看護教員養成研修の閉講式が行われました

 平成30年3月5日(月)14時から東京都社会福祉保健医療研修センターで閉講式が行われました。当財団は平成24年度からこの事業を東京都より受託しており、本年度で6回目の修了生を送り出しました。6年間で合計235名の看護教員が誕生し、都内のみならず全国で活躍しています。
 今年度の修了生37名は、昨年5月から11か月間、基礎分野・教育分野、専門分野の講義・演習・教育実習、35単位870時間全て修了し晴れてこの日を迎えることができました。
 修了証授与では、雜賀理事長から小池百合子知事名の修了証を一人ひとりに手渡されました。その後、財団の研修担当者が作成したメッセージカードを研修生個々に送りました。
 理事長の式辞では、修了したことへのお祝いや孔子の「学びて思わざれば、すなわち罔し」の言葉が送られました。続いて東京都福祉保健局医療政策部医療改革推進担当部長、都内看護系連絡協議会会長から温かな励ましの言葉を頂きました。さらに昨年研修を修了し都内の看護学校で看護教員として活躍している先輩から、看護教育の醍醐味や大切にしていることなどの言葉を頂き、看護教員としてのスタートを目前にした修了生は熱心に聞き入っていました。最後に研修生からの謝辞では、「『学生に寄り添うことの大切さ』を指導教員の姿勢から学ぶことができた」と頼もしい言葉が聞かれました。
 厳しく辛かった演習の数々。終わってみれば楽しく充実していたグループワーク。学生に支えられ無事にやり遂げた教育実習。こんな思いからか研修生の表情は達成感や清涼感で満ち溢れとても輝いていました。この研修で学んだことを糧に、それぞれの分野で学び続け、成長することを心から願っています。
看護学教育実習 写真1 看護学教育実習 写真2

「看護学教育実習」教員への階段 step by step !! (H29.12更新)

 看護学教育実習は看護教員を目指す研修生にとって欠かすことのできない重要な学習です。7月から10月末まで看護学教育方法演習、臨地実習指導方法演習で演習講師や実習校の教員の指導を受けながら指導案の作成・修正を何度も繰り返してきました。こうして研修の山場である教育実習が不安と緊張の中、11月からスタートとなりました。都内14校の看護専門学校に分かれ講義の実践、臨地実習指導など看護教員の役割を体験しました。研修生一人ひとりが自分の限界に挑み精一杯努力する姿には脱帽でした。終了後の研修生の表情は、何とも言えない清涼感・達成感で溢れ、周囲にも心地よさを漂わせてくれました。その表情に成長を実感したのは言うまでもありません。
 終了後はセンターに戻り、教育実習のまとめとしてグループワーク・発表・討議を行い、体験を共有しました。「授業は大変だったが、もう一度やってみたい」「先生方の教育に対する熱意が素晴らしかった」「学生がとても温かく励みになった」「臨地実習指導での学生との関りが楽しかった」など教育実習でしか学べない体験を生き生きと語っていました。これはまさに実習目標の一つ「看護教員の役割を体験し教員としての自覚を持つ」ことができた証です。教育実習前の不安と緊張は「教員としてやっていけそう。やりたい」へと見事に変化していきました。
 講義や臨地実習指導の実践的な看護教育方法の学びに留まらず、将来の看護教員としての礎となる看護教員の在り方まで発展させることができました。教員の質が教育の質を左右します。研修生は、この経験を糧に、よりよい教育を目指し自己研鑽し続けていくことを確信しています。支えて下さった実習校の先生方、学生の皆様ありがとうございました。
看護学教育実習 写真1 看護学教育実習 写真2

「看護学教育方法演習」グループ発表(H29.8月更新)

「看護学教育方法演習」グループ発表  本授業は、看護教員が授業を実施するために必要な授業案作成のプロセスを学ぶものです。看護学教育方法演習(3単位90時間)は、11月から始まる看護学教育実習の前に位置づけています。まず、グループで教材の看護学校の教育理念・教育目的・目標・教育方針を読み解き、その後指導計画の立案をしました。研修生は、共通の課題に向けて悩み・苦しみながら思考し迷路に入ってしまうことも多々ありました。その都度、グループ毎に配置されたベテラン講師のアドバイスを受けながら方向性を見出してきました。写真は、その経緯と結果の発表の様子です。質疑応答では活発な意見交換がなされ真剣そのものでした。グループワークは、副次的に対人関係力、コミュニケーション力、役割分担及びその責任感、プレゼン力などを高めます。こうして階段を一つずつ昇っていき9月からは個人での授業案作成、模擬講義へと進みます。
 演習や教育実習での学びが、将来の教員としての素地を育みます。今後、研修を積み重ね成長の素地をたくさん根づかせることでしょう。

37名の研修生を迎え、6年目の開講式(H29.5月更新)

37名の研修生を迎え、6年目の開講式  平成29年度は、全国9か所の都道府県で開催される「専任教員養成講習会」ですが、東京都の本研修は、昭和46年から実施され、2344名の方が修了している歴史ある講習会です。当財団も平成24年度に東京都から受託し、5年間で198名の研修修了生が、看護教育の現場で活躍しています。
 今年度の看護教員養成研修生37名は、選考試験に合格し、5月1日に開講式を迎えました。研修生の背景は、既に看護学校で教員として働いていたり、病院で臨床指導者として看護学生の指導に関わっていたり、これから看護教員を目指したい方など様々です。
 開講式は当財団の理事長の式辞に始まり、東京都福祉保健局医療改革推進担当部長から祝辞をいただきました。お二人とも約1年間の研修で、看護教員としての成長を大いに期待したいと激励の言葉がありました。
 研修生代表が、研修への不安と期待を述べ、37名の仲間と協力してそれぞれの課題を解決していきたいと研修への決意を述べました。
 午後からは、交流会で研修に参加した動機や、趣味、看護経験などを披露し、午前中の緊張から解放され、これから学ぶ者同士の絆を深めるきっかけになったことでしょう。
 37名全員が、無事に研修を修了することを希望します。

平成28年度

東京都看護教員養成研修の閉講式が行われました(H29.3月更新)

閉講式  平成29年3月3日(金)14時から、東京都社会福祉保健医療研修センターで閉講式が行われました。
 当財団は平成24年度からこの事業を東京都より受託しており、本年度で5回目の修了生を送り出します。5年間で合計198名の看護教員が誕生し、都内に留まらず全国で活躍しています。
 今年度の修了生39名は、昨年5月から11か月にわたり、教育分野や専門分野の講義や演習、都内の看護専門学校での教育実習を終え、晴れてこの日を迎えることができました。
 修了証授与では、雜賀理事長から修了証書が、修了生一人ひとりに手渡されました。修了証書には、小池百合子知事名の修了証と財団の研修担当者による研修生個々に向けたメッセージカードが添えられています。
 理事長の挨拶に始まり、東京都福祉保健局医療政策部医療改革推進担当部長、都内看護系学校連絡協議会会長から温かな激励のお言葉を頂きました。さらに、昨年この研修を修了し、看護専門学校で看護教員として11年目をスタートさせた先輩から、新人教員としての心構えと励ましの言葉を頂きました。最後に研修生から謝辞があり、その言葉に感動された理事長が、檀上から降りて、修了生と握手を交わす場面もありました。
 厳しく辛かった日々や楽しかったグループワークを思い出し涙する者や、教育者としてスタートする不安と責任から緊張感を漂わしている者、研修を終えた達成感で晴れやかな顔の者、それぞれの顔で式に参加していました。
 職場から派遣されていた研修生は、看護学校や病院に復帰します。また、離職してこの研修に参加していた研修生は、新たな職場となる看護専門学校に就職し、看護教員として看護教育に携わるべく、旅立ちました。

看護学教育課程演習の発表(H29.2月更新)

 この演習では、看護基礎教育の3年課程の教育課程を作成します。教育課程とは、学校の目的を明確にし、どのような専門職業人を育てるかを卒業生像として掲げ、その目的を達成するための学習プログラムです。研修生は5月から看護基礎教育について学習した集大成として12月から1月末までの間60時間を使って、「学校づくり」に取り組みます。
 看護基礎教育は、大学や専修学校など教育機関の違いがありますが、文部省・厚労省令の保健師助産師看護師学校養成所指定規則や看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインの制約を踏まえつつ、教育課程の編成を行います。
 下記の「写真1」は、グループワークで議論しているところです。ワーク学習の成果を最終日に発表し、そこでさらに意見交換しているのが「写真2」です。
看護学教育課程演習の発表 写真1 看護学教育課程演習の発表 写真2
写真1 写真2

緊張と不安、期待の中で「看護学教育実習」(H28.12月更新)

緊張と不安、期待の中で「看護学教育実習」  5月から開始された本研修の一番の山場は、看護学教育実習です。机上の学習で身につけた看護教員としての知識・技術を用いて、都内の看護専門学校において看護教員の体験をします。それが看護学教育実習です。教育実習では、専門学校の教員が担当している授業のうち1コマ90分の授業と病院における看護学生の実習指導をさせていただきます。そのために、7月から10月末迄の期間に「看護学教育方法演習」「臨地実習指導方法演習」という科目で授業案・実習指導案の作成に取り組み、演習の講師及び専門学校の教員の指導を受けながら授業と実習指導をします。
 研修生は、講師や担当教員の指導を受けとめながら日々修正を繰り返し、看護学生にとってより良い授業・実習指導ができるために日夜学習に取り組んでいます。そして、本番を迎え看護学生の前で90分の授業を行います。多くの研修生は、初めての経験です。終了すると、安堵感と共にもっとこうすればよかったなど課題を口にします。紙面上では分からなかったことが体験を通して実感できたようです。多くの研修生が学生に助けられ90分を終えることができたと言います。そして、授業の醍醐味を実感します。この体験を通して教育への関心が高まり、今後研鑽し続けることを期待したいと願っています。この看護学教育実習に関わっていただいた14校の教職員の方々に感謝いたします。

臨地実習指導方法演習の発表(H28.11月更新)

 看護教員は、専門領域の看護の講義を担当することと、病院における看護実習についても指導します。この演習は、看護実習で学生に指導を行うための指導案を作成する科目です。病院では、5年以上の看護経験のある看護師が指導を担当しますが、学校の指導者としての看護教員は、看護実習に同行し病院の指導者と調整しながら看護実践の指導をします。
 研修生は、11月から都内の看護専門学校に出向き、講義の体験と臨地実習指導の体験をします。そのための準備として臨地実習指導案の作成に30時間をかけ作成しました。講師は、教育実習に行く看護学校の看護教員の方々がきめ細かな指導をしてくれます。今日は、その指導の場面をロールプレイして指導のあり方を議論する時間です。30時間で膨大な資料を作成し、少々疲れ気味の研修生ですが、ロールプレイは考えさせる内容でした。ご苦労様でした。看護学生に向き合う教員の姿勢も学ぶことができ有意義な1日でしたね。
臨地実習指導方法演習の発表 (研修生が看護学生、看護教員、患者の役割をして、実習指導の場面をロールプレイ。シャワー浴へ行く患者が車椅子に座り、看護学生がシャワー浴の説明し同意を得ている場面である。看護教員は学生の後ろに位置し、看護学生の説明を一緒に聞き、その後その場面を教材として「説明と同意」について振り返りする場面である)

看護学教育方法演習 模擬講義の実施 (H28.10月更新)

看護学教育方法演習 模擬講義の実施  この授業は、6月から9月末までの間90時間をかけて授業案の作成をします。授業案とは、授業を実施するための計画書です。この目的は、学習者への学習の保障と教師の教育力アップに活用します。今回の研修では、授業案の作成プロセスを辿りながら、授業案の基本を学び、自ら授業を行うときにPlan-Do-Seeのサイクルを体験します。つまり、授業案はPlan、授業を実施することはDo, 授業の振り返りがSeeです。そして、次の授業に向けてより良いものへブラッシュアップさせていきます。その最初のPlanである授業案の作成後に、作成した授業案に基づいて模擬講義を実施します。下記の写真はその場面です。模擬講義を終え、各自がリフレクションを行い、教育実習に向けてブラッシュアップしていきます。各研修生が授業の醍醐味を感じ、教師としての道を選択してくれることを願います。

看護教育評価演習(校内実習)(H28.10月更新)

看護教育評価演習  平成21年看護教育課程の改正を受けて、看護師等養成所の運営に関する手引き「看護師教育の技術項目と卒業時の到達度」が示されています。そのため、教育内容である看護技術の到達度を測定する評価表が必要です。この研修では、客観性および妥当性のある評価表作成の演習として15時間の演習を実施しています。
 考え方の順序性として、看護学教育方法で看護技術の講義の指導計画・指導案を立て、その中の看護技術の基本動作を校内実習で学習します。授業と同じですので校内実習指導案を作成し授業案に基づいて講義をします。そして、身につけた看護技術を評価するための看護技術試験を実施します。そのための評価表をグループで作成し、評価表の妥当性・客観性・信頼性を検証するために研修生らで患者役、学生役、教師役のロールプレイを実施しているころです。短い時間の中でのワークですが、5月からの学習内容の積重ねの成果もあり、有意義な学習時間でした。

今年度の新規事業である短期研修が終了しました(H28.9月更新)

今年度の新規事業である短期研修が終了しました  看護師養成所の専任教員の要件として、看護経験5年以上と当センターで実施している看護教員養成研修の修了があります。その後、教育関係の科目を履修した大学卒業者であれば、当研修を修了しなくても専任教員としての職に就けることになりました。
 現在、都内の看護師養成所の専任教員として就業している方でこの新しい要件の方がいます。その方々の声として、研修の未受講による職務遂行上の困難さ、不安などがありました。その対応として、今年度、短期研修として夏休み期間を利用して実施しました。
 参加者は27名です。都内の看護師養成所で、既に専任教員としての職にある方々です。 当センターで実施している看護教員養成研修は、11か月870時間の教育課程ですが、この短期研修は、5日間40時間と本来の研修の5%にすぎません。しかし、それでもこれからの学習の糸口、きっかけになればと考えています。
 研修の内容は、看護学教育課程、看護学教育方法、看護学教育評価、看護学校経営です。看護師養成所の全体を把握することが、専任教員として授業や実習指導、学生指導に役立ちます。担当している講義や実習指導が、全体の中での位置関係を明らかにしておくことで、学習内容の結び付けができ、学生は学習の積み重ねができます。この様な意図で短期研修の内容を精選しています。
 短期研修を受けられた方々は、この5日間、熱心に講義を受けられ、演習でも活発な討議をしていました。参加された方からは、このような研修を希望していた、継続研修を希望する、期間をもう少し長くしてほしいなどの意見を戴いていますので、課題として検討します。

「看護学教育方法演習」のグループ発表(H28.8月更新)

「看護学教育方法演習」のグループ発表  この授業は、看護教員が授業を行うために必要な授業案作成を学ぶものです。5月の開講と同時に始まる「看護学教育方法概論」15時間の授業を受け、「看護学教育方法」30時間の講義・演習が6月には終了します。そして、その後に学んだ知識を活用し、まずはグループで授業案作成のプロセスを確認しながら議論を重ね、学校の理念からつながる教育目標を理解し、担当する授業科目迄を作り上げます。
 研修生は、学んだ知識を総動員して議論し、考え方を深めますが、迷路から抜け出せず負のスパイラル状態で苦しい思いをしながら、本日の発表にこぎつけます。しかし、この過程が重要で苦しんだ分だけ、得るものも大きくこれからの職業生活に生かされていくものであると考えています。当然、そこには、都内のベテラン看護教員が講師としてサポートとしています。4~5名の1グループに対して1名の講師が担当しています。この講師陣は、看護学教育実習を行う際の教育責任者であるために、研修生の学習状況を把握した上で教育実習を指導していただいています。
 当研修は、学習内容が研修生の中で積み重ねられるように科目間の連携、講師の連携を重要視し運営しています。下記の写真は、ワークの成果を発表し、グループ間で学びの共有をする時間です。

「看護学教育方法(校内実習)」の指導案に基づいた教師によるデモンストレーションの発表場面(H28.7月更新)

 看護学校の授業の特徴として、校内実習という形態の授業があります。看護学生に、看護に必要な看護技術の「何を、どのように教えるか」を考え指導案作成をします。指導案作成の考え方の基本は、講義指導案と同じです。しかし、精神運動領域(技術)の内容の抽出では、看護師としての活動を想起し、その行動がとれるために必要な知識は何かを抽出します。そして、患者に安全・安楽となる技術を提供するための看護技術を教える方法として、教師自身が、正しい看護技術を身につけておく必要があります。
 それは、精神運動領域の学習は、模倣からはじまりコントロール、自動化と進むことから、教師は正しい看護技術を見せる必要があります。そのため、この授業では、校内実習指導案作成と教師によるデモンストレーションを発表し議論する授業です。
 左の写真は、研修生が教師役として看護学生に対して看護技術の演示をしているところです。右の写真は、講師による看護技術の演示です。研修の間から講師の看護技術の演示に対して感嘆の声が上がりました。この授業を通して、看護技術を教えるということを改めて考える機会になったようです。
「看護学教育方法(校内実習)」の指導案に基づいた教師によるデモンストレーションの発表場面1 「看護学教育方法(校内実習)」の指導案に基づいた教師によるデモンストレーションの発表場面2

授業科目「看護論演習」(H28.6月更新)

授業科目「看護論演習」  研修が開始され、初めての演習です。演習時間は22時間という短い時間の中、近代看護の夜明けといわれ、看護や看護教育に影響を与えたフローレンス・ナイチンゲールとその影響を受けたヴァージニア・ヘンダーソンの看護についてグループディスカッションです。
 看護の偉大な先人が語った看護について、改めて考える機会となります。研修生は、それぞれ看護経験が豊富ですので、その事例を掘り下げることで看護の基本に立ち戻り、「看護とは何か」を言語化していきます。研修生の声として、「こんなに看護を考えることはなかった」「教えるということは、体験を言語化しておくことが重要である」「理論とは、時代を超えて通用すること」などのつぶやきが聞こえました。最後に、グループワークの成果を発表し議論後には、各自の看護体経験を振り返り1本の論文に仕上げます。
 研修の初期に、この授業を取り入れている意図は、これから看護を教えるための教育方法等を学ぶ上で、自らの看護を語れる教員であってほしいという願いからです。

「看護理論」の発表(H28.6月更新)

「看護理論」の発表  5月2日の開講と同時に、看護理論の授業に向けて、各自が選択した看護理論家について文献を熟読します。1週間後にグループワークに臨み、さらに1週間後にはその成果をグループ発表します。看護理論家は、シスター・カリスタ・ロイ、ドロセアE・オレム、ジーン・ワトソン、マーガレット・ニューマンの4名です。看護学生のときには学習したのでしょうが、卒業後看護師として働いているとあまり意識せずに過ごした研修生たちですが、しっかりと、理論を読み込み各理論家の考えを発表することができていました。発表資料については、他の授業で学んだことを活かした資料作成ができ、プレゼンテーションも工夫を凝らし内容が伝わるものでした。当然、質疑も的を射た良いものでした。開講して最初のグループワーク、資料作り、発表でしたが、研修参加への意識が高く、今後が楽しみです。図は、プレゼンテーションの場面です。

40名の研修生を迎え、5年目の開講式(H28.5月更新)

40名の研修生を迎え、5年目の開講式  東京都の看護教員研修の歴史は長く、昭和46年から実施されています。研修修了者は既に2,305名で、都内だけでなく全国で看護教育に携わっています。財団では平成24年度から東京都の受託事業として始まり、159名が修了し看護教育の現場で活躍しています。
 今年度の看護教員養成研修は40名が選考試験に合格し、5月2日開講式を迎えました。 研修生は、既に看護学校で教員として働いていたり、病院で臨床指導者として看護学生の指導に関わっていたり、これから看護教員を目指したい方など様々です。
 開講式は当財団の理事長の式辞、東京都福祉保健局医療政策部看護人材担当課長から祝辞をいただきました。お二人とも約1年間の研修で、看護教員としての成長を大いに期待したいと激励の言葉がありました。
研修生代表が、実習中の看護学生との関わりの体験を例に挙げながら、研修生同士で看護観をぶつけ合いながら研修を深めたいと、研修への決意を述べました。40名の緊張と期待が伝わり、研修生各自が、今までの看護経験を振り返り「教育とは何か」「看護とは」「看護教育とは」など、それぞれが課題とする答えを見つけ、無事に研修を修了することを期待します。
お問い合わせ
公益財団法人東京都福祉保健財団 人材養成部 職員研修室
tel: 03(3812)9362 fax: 03(3812)9365
e-mail: kangokyoin@fukushizaidan.jp